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どんよりとした曇り空が続いていたカイロ。 朝起きると、めずらしく現れた太陽に呼ばれ、外に出る。 宿の情報ノートに書いてあったバス停を探し、バスに乗る。 車窓からエジプトの街並みが流れていく。 想像の中のエジプトとは異なる近代的なビルと、 歴史を感じさせる建物が並んでいる。 お洒落を着飾った若者や、黒装束を纏った女性、頭にターバンを巻いた男が歩いている。 レトロな車や原付が走る道路。 中央分離帯からは、椰子の木が天に向って伸びている。 路地では少年達がサッカーをし、マクファでは相変わらず親父達がシーシャをふかす。 バスの車内では、中学生かそこらの年の子供が、代金を客から徴収している。 この季節のカイロは、朝晩は冷えるものの、日中は日差しが強く暖かい。 窓から流れる街並みを眺めていると、突然、 左手の建物の上から、なまら大きな三角形の影が現れた。 ギザのピラミッド。 宿を出る前、期待はなかった。 なのに、その姿が現れた時には、席を立ち上がる程の興奮を覚えた。 その大きさは正に圧巻だった。 昂揚した気持ちで、場内へと入る。 そして近くに寄って、改めて思った・・・。 これは、デカイ。これは、もはや山である。大きな山だ。 周りでは、観光客が記念撮影をしている。 ピラミッドを形成するひとつひとつの大きな石の塊。それを前に人は、 蟻に等しい。 ギザのピラミッドは、三つ並んで立っている。 それぞれを結ぶ道には、観光客を乗せた馬やラクダが走り、 土産物売りの子供が「1ポンド、1ポンド」と商売をしている。 三つのピラミッドを一望できる展望台に行くと、 中国人がキャッキャと「ピラミッドをつまむ」写真を何枚も撮っている。 その場を離れ、静かな砂岩地に腰を下ろして、ピラミッドと向かい合う。 ピラミッドを真正面に、その奥にはカイロの街が広がり、右手にはどこまでも 続いていそうな砂漠が広がっている。 ピラミッドと、カイロの近代的都市。古代文明と、近代文明。 その対照的な眺めが面白い。 そこに座ってピラミッドを見ていた。 じっと見ていると、不思議なモノが見えてきた。 ピラミッドの周りから色の付いた、「何か」が発しているように見える。 黄緑や黄色、ピンクの何とも言えない「オーラ」のような何か。 目を逸らし、また見てもそう見える。 そして、しばらくそれを見ていると、真ん中に立つピラミッドに 「ドクロマーク」のような骸骨が浮かび上がってきた。 目を擦り、再び見直しても骸骨の顔がいる。 不思議に思いながらも、ずっとそこに座って眺めていた。 あれは何だったんだろう。 ただの目の錯覚かもしれないし、「ピラミッドの謎」なんかの 先入観が、そう見せたのかもしれない。 ただ、あの時そう見えたのは確かだし、ピラミッドに吸い込まれそうな 「何らかの不思議な力」を感じたのも確かだ。 俺、少し変になったんだろうか・・・。 (人生で一度も「眩暈」を覚えたことの無い俺ですが、 次の日、街に出ようとすると道行く人や車がスローモーションに見える、 おかしな症状になったのは、これと何か関係あるのでしょうか。) 何にしても、あのピラミッドという存在は、絶対に「何か」を秘めているなと感じた。 (ピラミッドの謎には、様々なものがあり、例えば「ピラミッド内では、魚が腐らない」 「植物が良く育つ」「刃物が切れやすくなる」などがあるようです。) 存在理由も、どう造られたのかも、謎に包まれているピラミッド。 考古学者が、その謎の究明に一生を捧げる気持ちもなんとなくわかる気がする。 ピラミッドの知識なんて一切持っていない自分は、ただそれを感じるだけだった。 ピラミッドの存在理由には「王墓説」などが有名だが、俺なら「シェルター説」を唱えるな。 地球滅亡の時に、突然にしてピラミッドは空を飛び、人々を中に入れて人類を救う。 もちろん何一つとして根拠などはないけれど、あのピラミッドは、そんなことでも しでかしそうな「何か」を持っている気がして仕方ない。 そんな想像をさせるピラミッド。 魅力的な物体だった。 少し前に、アスワンとルクソールにも足を伸ばした。 アスワンからは「アブシンベル神殿」にアクセスでき、 ルクソールは「王家の谷」や「カルナック神殿」などが存在する。 どちらも古代遺跡が残るナイル川に面した街。 こうした古代遺跡を歩くたびに想うのは、ただただ 「古代人は凄いな」ということだ。 ピラミッドに然り、遺跡に然り。 神であった王の命令を忠実に守り、よくあれだけのモノを造ったなと、感心させられる。 神殿などの壁画や、高度な建設技術などを見ていると、もしかすると 「古代人」は「未来人」なのではないかとさえ思えてくる。 (アブシンベル神殿の内部の奥の部屋、そこには像が並び、 普段は真っ暗だが、「春分の日」と「秋分の日」だけその部屋に光が届く構造になっている) ピラミッドにしても、アブシンベル神殿にしても、 決して全ての謎を解明することの出来ない、これら古代遺跡は、「浪漫」を持っている。 俺が死ぬまでに、その謎はいくつ解明されるのだろう。 頑張れ、吉村 作治! これで古代遺跡もお腹いっぱいです。 ※↓ ギザのピラミッド 「謎」を持つ、謎の三角錐 ※↓ アスワンから更に南へ アブシンベル神殿 ※↓ 遺跡に残る壁画 これ読めたら楽しいだろうな P.S 最近サファリで「ジョジョの奇妙な冒険」なんて読んでしまったから、 こんな文を書いてしまったのかもしれません。 何やらカイロには、デュオの屋敷があるらしく、ジョジョ好きの皆さん、 カイロを訪れた際には、行ってみてはいかが。 俺もスタンド使いて~。 10/02/17 ダハブ 紅海を目の前に見られる宿セブンへブンにて。
by shige-wander
| 2010-02-15 06:56
| エジプト
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